2025.01.22

ワレモコウ(吾亦紅)とは?

ワレモコウ(吾亦紅、学名:Sanguisorba officinalis)は、バラ科ワレモコウ属の多年草です。英名では「Great Burnet(グレート・バーネット)」と呼ばれ、日本をはじめユーラシア大陸の温帯地域に広く分布しています。晩夏から秋にかけて、濃い紅紫色の球状花序(小さな花が集まった形)をつける姿が風情を感じさせ、多くの人から愛されてきました。切り花やドライフラワーの素材としても人気が高く、和風・洋風を問わずさまざまなアレンジや庭づくりに取り入れられています。

1. ワレモコウの分類と学名

  • 科名:バラ科(Rosaceae)
  • 属名:ワレモコウ属(Sanguisorba)
  • 学名Sanguisorba officinalis
  • 和名:ワレモコウ(吾亦紅、我亦紅)
  • 英名:Great Burnet

「ワレモコウ(吾亦紅)」という和名には諸説ありますが、「われもこう(我も紅)」という響きが“私も(ほかの花と同様に)紅色に染まっています” という意味合いを表したとする説が知られています。

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2. ワレモコウの特徴

  1. 草丈
    成長すると50~100cmほどの高さになり、ほっそりと立ち上がる茎が特徴的です。環境が良いとさらに高くなることもあります。

  2. 奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で、1枚の葉が複数の小葉から構成されています。小葉は卵形で、縁に細かい鋸歯(きょし)があるのが特徴です。地際から出る根生葉(こんせいよう)と茎葉があります。
    • 花期:7~10月頃
    • 花色:濃い紅紫色(暗紅色)
    • 花序:先端に小さな花が密集して球状~棒状の形を作ります。最初は緑色がかった赤ですが、時間が経つにつれだんだん濃色になり、ぽつぽつと開花していきます。雄しべや雌しべが突き出すように咲くため、近くで見るとユニークな形状を楽しめます。
  3. 果実
    開花後、花序が枯れていく過程で種子を作ります。熟すと茶色くなり、風などで揺れるとこぼれ落ちて発芽することがあります。

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3. ワレモコウの分布と環境

ユーラシア大陸の温帯地域を中心に分布し、日本では本州以北の山野や湿地周辺などに自生しています。湿り気のある土壌を好む性質がありますが、やや乾いた草地にも生育することがあり、耐寒性も比較的高い植物です。近年は園芸用に改良され、花壇や切り花向けに世界各地で栽培されるようになっています。

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4. ワレモコウの栽培方法と管理

4.1. 育てやすさ

ワレモコウは丈夫で育てやすい多年草のひとつです。ある程度の耐寒性・耐暑性があるため、初心者でも比較的失敗が少なく楽しめます。多年草なので、地植えや鉢植えでしっかり根付けば、毎年秋に紅紫色の花を咲かせてくれます。

4.2. 土壌と日当たり

  • 日当たり:日向~半日陰を好みます。強い日差しが当たる場所でも育ちますが、あまりにもカラカラに乾く環境は避けましょう。
  • 土壌:やや湿り気のある、排水性と保水性のバランスが良い土壌が理想です。地植えの場合、腐葉土を混ぜて改良しておくとよく育ちます。

4.3. 水やりと施肥

  • 水やり:地植えでは、根付いた後は極端に乾燥しない限り特に潅水の必要はありません。鉢植えの場合は表土が乾き始めたら与える程度でOKです。
  • 施肥:生育期(春~初夏)に緩効性肥料や腐葉土を少し与えると、株がよく育ち花つきも良くなります。ただし多肥を好む植物ではないので、過度な施肥は避けましょう。

4.4. 増やし方

  • 株分け:春や秋に株を掘り上げ、根を痛めないように慎重に分割して植え付けます。
  • 種まき:秋に熟した種子を採取し、春に播きます。やや発芽には時間がかかりますが、うまく育てると翌年以降に開花します。

4.5. 病害虫

比較的病害虫には強いですが、過度の多湿や通風の悪い環境ではうどんこ病や灰色かび病が発生する場合があります。風通しをよくし、込み合った葉を切り戻すなどの管理を心がけるとよいでしょう。

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5. ワレモコウの使用例

  1. 庭植え・花壇
    ふわふわと風になびく紅紫色の花穂が秋の趣を感じさせ、コスモスやススキなど秋の草花とも相性が良いです。高さがあるため、花壇の後方やグラウンドカバー植物の中から顔を出すように植えると立体感のある景観になります。
  2. 切り花・フラワーアレンジメント
    細長い茎の先に可愛い丸い花穂をつけるので、ブーケやアレンジメントのアクセントに重宝します。長持ちはあまりしませんが、ドライフラワーにしてもシックな色合いを楽しめるため、リースやスワッグの素材としても人気があります。
  3. 薬用植物
    漢方や民間療法では、根茎を乾燥させたものを「地楡(じゆ)」と呼び、止血などの効能があるとされてきました。現代でも一部では生薬として利用されることがありますが、服用する際は専門家の指導が必要です。

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6. ワレモコウの季節

ワレモコウは秋の季節感を代表する植物のひとつで、俳句や詩歌などにもたびたび登場します。主張しすぎない大きさや色合いの花穂は、繊細な和の情緒を醸し出し、紅葉した落葉樹やススキ、秋桜との競演も絵になる組み合わせです。季節の行事やお月見、お彼岸など、秋の風習とあわせて楽しむのもおすすめです。

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まとめ

ワレモコウ(吾亦紅)は、初秋から晩秋にかけて濃い紅紫色の丸い花穂を咲かせるバラ科の多年草で、山野の風景や秋のフラワーアレンジを彩る存在として人気を集めています。丈夫で育てやすく、ガーデンや切り花、ドライフラワーなど多様な用途で活躍。涼しさを感じ始める頃、揺らぐ花穂が秋の訪れをそっと知らせてくれます。
上手に育てて、ワレモコウならではの独特な花姿と和の情緒を、ぜひお庭やお部屋で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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