2025.01.20

ソルガム(Sorghum)とは?

ソルガムは、イネ科(Poaceae)モロコシ属(Sorghum)に属する穀物の総称で、その代表種である「モロコシ(Sorghum bicolor)」が特に知られています。英語では “Sorghum(ソーガム)” と呼ばれ、世界の主要な穀物のひとつに数えられます。トウモロコシやコムギなどと比べると日本国内の認知度はやや低いものの、アフリカやアジア、アメリカなどでは古くから食糧、飼料、工業用原料など多彩に利用されてきました。近年は、グルテンフリー食材として再注目されているほか、バイオエタノール原料としての開発も進んでおり、世界的に重要度が高まりつつある穀物です。

1. ソルガムの分類と学名

  • 科名:イネ科(Poaceae)
  • 属名:モロコシ属(Sorghum)
  • 主要種:モロコシ(Sorghum bicolor
  • 英名:Sorghum

ソルガム属の植物には20種以上が含まれ、そのうち食用・飼料用・工業用などで広く栽培されるのが Sorghum bicolor(モロコシ)です。さらに、品種や用途によって「穀粒用ソルガム」「飼料用ソルガム」「糖分の多いスイートソルガム」など、さまざまな系統に分かれています。

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2. ソルガムの特徴

  1. 草丈
    品種や栽培条件によりますが、草丈は1~3mほどに達します。飼料用やバイオマス用など大型化する系統では、4m近くに伸びるものもあります。
  2. 茎・葉
    イネ科特有の円筒形の茎と細長い葉をもちます。スイートソルガムと呼ばれる系統では、茎に糖分を多く含み、収穫後に茎を絞って糖液を得ることができます。
  3. 穂(花序)と種子
    茎の先端に大きな穂状(ほじょう)の花序をつけ、成熟すると種子が実ります。種子は丸みを帯びた小さな粒状で、白色や褐色、赤色など品種により色合いが異なります。炊飯などで食用にする場合は玄米のように精白し、粒の形状を残した状態で調理することが多いです。

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3. ソルガムの分布と環境

ソルガムは熱帯・亜熱帯地域を中心に世界中で栽培されていますが、温帯地域でも比較的育てやすく、高温・乾燥に強い作物として知られています。トウモロコシなど他の穀物が栽培困難な乾燥地帯や貧栄養地帯でも生育可能なため、食糧安全保障の観点からも重要な穀物です。
日本では、九州や東北などで飼料用やグリーンツーリズム(迷路づくり)などを目的にソルガムが栽培されることがありますが、穀粒用としての流通量はまだ少ないのが現状です。

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4. ソルガムの使用例

4.1. 食用

  1. 穀粒(グレインソルガム)
    種子を精白し、粒の状態で炊いて食べたり、粉に挽いてパンやお菓子の材料にしたりできます。クセや香りが少なく、適度な甘みがあるため、さまざまなレシピに応用しやすいのが特徴です。
  2. グルテンフリー食材
    ソルガムにはグルテンが含まれないため、小麦アレルギーやグルテンを制限している人向けの食材として注目されています。パンや麺などに部分的に置き換えて使われることもあります。
  3. 発酵食品・伝統料理
    アフリカではソルガム粉を利用した発酵粥やフラットブレッドが主食として定着しており、インドや中国南部などでも伝統的な穀物食として根付いています。ビールの原料に利用されることもあり、地域色豊かな発酵文化を支えています。

4.2. 飼料用

ソルガムの茎や葉は家畜の飼料としても有用です。青草(グリーンフィード)として刈り取り、牛や羊に与えるほか、サイレージ(発酵飼料)として貯蔵して年中利用するケースも多く見られます。耐乾性が高いことから、水資源の限られた地域でも飼料生産が可能になります。

4.3. 工業用・エネルギー用

  1. バイオエタノール原料
    スイートソルガム系統では、茎に含まれる糖分を発酵させることでエタノールを生産できます。トウモロコシやサトウキビに代わるエタノール原料として研究が進められています。
  2. バイオマス資源
    ソルガムは成長が早く草丈も大きい品種があるため、バイオマス燃料や紙パルプ原料としての利用も検討されています。環境負荷が比較的少なく、大量生産が可能なバイオ資源として期待が高まっています。
  3. 工業素材
    ソルガムを原料としたプラスチック代替品や断熱材など、さまざまな可能性が探究されています。再生可能資源としての評価が高まる中、研究開発が活発化しています。

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5. ソルガムの栄養・健康面での特徴

  1. 高い食物繊維
    ソルガムは食物繊維が豊富で、腸内環境を整える効果が期待されます。ポリフェノールや抗酸化物質も含まれ、一部では生活習慣病予防との関連が研究されています。
  2. グルテンフリー
    グルテンが含まれていないため、小麦由来の消化障害(セリアック病)やグルテン過敏症をもつ人の代替穀物として利用しやすいです。
  3. ビタミン・ミネラル
    他の穀物と同様、ビタミンB群やミネラル(マグネシウム、鉄など)が含まれます。雑穀として、白米と混ぜて炊くことで栄養バランスを高めることができます。

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6. ソルガムの栽培のポイント

  1. 播種時期・気候
    ソルガムは暖かい時期に成長が盛んです。日本では5~6月に種をまき、秋に収穫するパターンが一般的ですが、地域の気候や品種によって微調整が必要です。
  2. 日照と水管理
    日当たりの良い場所でよく育ちます。乾燥には比較的強いものの、初期の生育期には一定の水分があると生育がスムーズです。畑の排水性にも留意しましょう。
  3. 施肥・土壌
    肥料分を比較的要求しますが、極端に肥沃でない土地でもある程度育つ柔軟性があります。過剰施肥による倒伏や病害虫の増加に注意が必要です。
  4. 害虫・病気
    アブラムシやイモムシ類のほか、病気ではいもち病やさび病などが発生する場合があります。適切な輪作や抵抗性品種の導入、農薬の使用などで被害を抑えます。

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まとめ

ソルガムは、乾燥や高温など厳しい環境にも耐えられるタフな穀物として、古くから世界各地で重要な役割を果たしてきました。近年は、グルテンフリー穀物としての食用価値に加え、バイオ燃料や飼料、バイオマス資源など、多角的な用途が注目されています。
アフリカやアジアの貧栄養地域では、飢餓対策としての地位が確立されており、地球規模での持続可能な農業・食糧問題の解決に向けても期待が高まる作物です。日本国内での認知度はまだ高くはありませんが、雑穀ブレンドやグルテンフリー需要の拡大とともに、今後ますます活用される可能性を秘めています。ぜひ、ソルガムの多彩な魅力と機能性に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

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